福井県敦賀市内に建つ木造2階建ての2世帯住宅である。家族構成は親夫婦+息子夫婦+子供2人の6人家族。長年住み、慣れ親しんだ地域での建替えであることから、元々、地域の方々との繋がりが深いこと。2世帯住宅という特殊な性格上、家族間の程よい繋がり=バランスが重要であること。地域を代表する山、野坂山が目前にあり、その景色と室内との繋がりをもう一度復活させること。この「繋がり」を意識しながら設計を進めた結果、玄関アプローチから繋がる中庭を家の中心に設け、この中庭を中心に日常生活が展開することとした。近所の人は、アプローチを抜け、中庭に入り、縁側で団欒し、家族同士はそれぞれ中庭を行き来したり、花火をしたり、読書をしたりと、中庭で繋がる。2階からは遠くの景色が一望でき、全てが「繋がる」、そんな住宅である。
構造:下山建築設計室
写真:絹巻豊